株式会社ミライの事業展開

平成13年に保育園からスタートしました。
その頃は4つの保育園の運営をしていたのですが、17、 8年前に発達障がいっていう問題がどんどん増えてきて、その名前がお母さんたちにも教育の現場でも浸透していきました。
その頃から私は「インクルーシブ保育」、障がいがある子も、ない子も同じように分け隔てなく育てるという保育をずっとやってきて、子どもはすごく純粋なので、本当に分け隔てなく一緒に生活をするわけです。その保育の在り方がすごく好きでした。うちの会社は保育園だけだったので、6歳で小学校に上がる時に卒園してしまうという課題がありました。
小学校に上がるお母さんたちから園長先生、まだやってくれないか、小学校上がってからの授業を考えてくれないかと要望があり、その頃から放課後デイサービスにすごく興味がありました。
やりたいなという思いを持ちつつ、2年前にようやく1店舗目の放課後デイサービスをオープンしました。そこで保育園で培った共育方針や想いが通じて、すぐにいっぱいになったので、3店舗、4店舗となり、現在、5店舗の運営をしています。
並行して、高齢者向けのリハビリ・デイサービスをやっています。そこでは、「生涯幸福社会の実現」を事業目的に掲げています。
私、親がいないんですね。なので、親へ恩返しをするような事業がしたいと思っていました。歩行訓練特化型なので、いつまでも高齢者の方が在宅で元気で過ごせるように、リハビリに特化したデイサービスを、現在2店舗やっています。
0歳から100歳までの事業をすごくやりたくて、生涯にわたり地域に貢献ができるような事業展開を目指しています。

心に残るエピソード

 保育園の頃ですかね。うちはインクルーシブ保育で、縦割り保育。0歳から6歳までを一緒に育てます。お兄ちゃんがちっちゃい子の面倒をみて、ちっちゃい子はお兄ちゃん、お姉ちゃんを見て育っていきます。
避難訓練の時のことです。非常ベルを鳴らすと、子どもたちは一斉に逃げるんですけど、年長さんの子が出ないんですよ、非常階段から。何をしているのかなと思って、「何をしてるの?早く出ないと」って言ったら、「園長先生、俺は歩けるけど、赤ちゃんは歩けん。だから俺がちゃんと赤ちゃんが出たか、先生が抱っこをするのを忘れてないか、見てるんだ」って言うんですよ。俺は最後でいいと。
それにはすごく感動して、後で先生たちで涙したというエピソードがあります。そこから私はやっぱりインクルーシブだったり、縦割り保育だったり、大人が教えなくても、自分たちの心で、頭で考えて行動できる子どもたちのすごさ、子どもを信頼する保育に確信を持ちました。
私たちには「共育方針」があるんですけど、私たちも子どもたちに負けず成長していかなければと思っています。教える教育じゃなくて、大人も共に育っていく「共育」。私たち大人が、子どもたちの可能性をどれだけ信じて、見守ってあげられるか。今のお母さん、お父さんは、どうしても手を出したり、口を出したり、特に小さいお子さんには。「目をかけてもいいけれど、手は出さないで」というお話をさせてもらっています。階段でも自分で降りなければ、いつまでも階段は抱っこしてくれるものって子どもたちは覚えます。落ちて怪我をしないように大人が見守って、子どもたちの力を伸ばすというのが私たちの共育です。

 

各部門の事業方針

 当社には各部門に事業方針があります。保育園でいうと「心の家族」っていう、お母さんと子どもたちと私たちでトライアングルをつくりましょう。心は家族でありたいよねっていう方針で24年間やってきました。
スマイルパレットにおいては「共生力」、人それぞれの個性を認め合い、共に生きる力をつけましょうというビジョンがあって、みんなで合言葉のように使っています。
コンパスウォークに関しては、「敬護」。介護ではなくて敬って護る。私たちの大先輩を敬って護っていきましょうと、しっかり敬語を使ってご利用者様と話しています。たぶん他の福祉施設では、「ちゃん付け」で呼んでいるところもけっこう多いと思うんです。人生の先輩であるご利用者様には、敬護の気持ちを持ってという考え方です。あと大事なのは、生きがいです。一緒にどうやったら夢を叶えられるだろうかと。例えば、奥さんと思い出の場所でもう一回ご飯を食べたいという方に、どうやったら本当にそれが実現できるだろうかと一緒に考える施設なんです。歩行訓練に特化していますけど、ただ歩けるようになるのではなくて、その方がどういう夢を持っていて、今後どういうことをしたいのかを聞いて、それを叶えるっていうお手伝いがしっかりできるデイサービスになっています。
㈱ミライの目的でありゴールは、障がい者、高齢者、引きこもりの子どもたち、性的マイノリティがある方、生活困窮者、全ての人たちが孤立することなく、人のぬくもりに触れるような社会をつくっていきたいと思っています。そういう場所づくりをすごく意識しています。
大分県内で運営していますが、他県から、ぜひ「スマイルパレット」をやってみたいという声が何社か挙がっています。今後は全国に広がるFC事業を始めようと思っています。
全国に「ミライの想い」が伝わっていけばいいなと思っています。
2024年7月には、全国でも数少ない中学生の放課後デイサービス「セカンドパレット」を開きます。
その後、高校生だけの就労に向けた事業所をつくる予定です。あとは音楽療育をする事業所、高齢者向けの半日デイサービスももう1店舗つくりたいです。
将来の目標は就労支援です。
放課後デイサービスのお母さんたちにいちばん多いのが、「このまま一般就労できるんだろうか」っていう不安です。
どうしても普通の小学校に入ってほしいという悩みを持っているお母さんもいらっしゃいます。私は普通の小学校に行くのが本当にその子にとって幸せなのか、生きやすいのかをしっかりお母さんに考えるようお話をします。お母さんの望むものと、子どもたちの望むものは違うので、じっくり話をします。保育園から面談形式の対話が好きなので、お母さんとしっかり面談をして、最終的にはこの小学校に、この中学校に、そしてこの高校に行こうと決めるスタンスをとっています。「スマイルパレット」では、3ヶ月に一度、保護者会があるんですよね。「パレットカフェ」っていうんですけど。最初は1年に一回の予定だったのですが、いまでは3ヶ月に一回。すごい人数が来られるんですけど、グループで悩みを話し合ったり、私たちもそこに入って、それはそうじゃないよね、お母さんとか、いまこんな形でここでは生活しているから、絶対おうちでもできるよとか。
子どもたちだけに寄り添うんじゃなくて、お母さん、お父さんにも寄り添うことも行っているので、すごく大人気です。それはずっと続けていきたいと思っています。

 

想い

最近では独居高齢者の方が非常に多くて、「ミライ」と別に高齢者身元保証協会っていう一般社団法人の代表理事もしています。
お子さんがいなくて、奥さんに先立たれた方、そういう方のお手伝いをさせてもらっています。生きづらさを少しでもなくしたり、やっぱり孤立してしまうと、人のぬくもりに触れることってなかなかできないと思うので、うちの施設だったり、私とかスタッフに出会って、ぬくもりを感じていただこうという想いで運営しています。
私ほんと、お節介おばちゃんってよく言われるんですけど、それが私の生きがいというか、エンジンになっているというか、喜んでくれているのを見るのが本当に私の喜びです。それがスタッフたちにも伝わって、みんなそんな思いで仕事をしてくれているので毎日が楽しいです。

 

どんな人材に来てほしいか

私が来てほしいうちの社員像というのは、「ピュアで素直な人」。ピュアっていろいろとり方があると思うんですが、うちで言うピュアは、人が喜んでいるのが自分の喜びになっている人です。そういう方がいっぱい来てくれるといいなと思っています。
仕事はぜんぜんできなくていいと思っているんです。スキルは後々ついてくるものですから。「一緒に成長する」という、ちょっとでも理想の自分になれたって思って喜んでほしいと思います。一番に自分を大事にできる人で、家族も大事にできる人、その次に人を大事にできる人。自分を大事にできなければ、人のことは大事にできないと思うので、自分を大事にしている人がいいなと思います。そして、うちに来たら間違いなく楽しいと思うので、そこには自信があります。
放課後デイサービスだったり、保育園だったり、特に介護の現場とかはそうだと思うんですけど、自分の想いがあっても、なかなかできないっていう施設が多いと思うんです。
ミライに関してはとりあえずやってみようっていう会社です。いろんな意見、行動指針に「自由な議論」があるので、利用者様のためにこれをやったらいいよね、ということは取り入れられるし、自分の思いをどんどん実現できる会社だと思います。これから店舗展開をしていって、自分の店舗、管理者という道もたくさんあります。社長っていう夢がある子もいますし、独立したいという子も実はいるんですよね。そんな方でもどんどんOKな会社です。ただ、本当に子どものこと、ご高齢者のことを思って、一生懸命に、いま何が自分にできるだろうって考えて行動に移す。そんな「想いがある人」にぜひ来てほしいと思っています。

 

令和6年7月吉日 代表取締役 笠木 愛子

TOP
応募フォーム